第6回
1回ごとの「雇用期間」と「勤務期間」の相関関係は?
登録型の派遣スタッフの場合、派遣会社に登録をしただけでは雇用関係は発生しません。派遣会社から紹介された派遣先で働き始めるときになって初めて、派遣会社との間で雇用契約を結ぶことになります。
この雇用契約の多くは有期契約です。いつからいつまで働くのかを前もって決めておくわけです。では、雇用期間はどれくらいの長さになるのでしょうか。厚生労働省の「平成17年派遣労働者実態調査の概況」から見てみましょう。
| 1カ月未満 | 0.8 |
| 1カ月以上3カ月未満 | 16.8 |
| 3カ月以上6カ月未満 | 33.3 |
| 6カ月以上1年未満 | 21.3 |
| 1年以上3年未満 | 14.8 |
| 3年以上の期間の定めがある | 0.4 |
| 期間の定めはない | 12.8 |
| 不明 | 0.1 |
データ1は、登録型派遣スタッフに対して、派遣会社との雇用契約の期間を尋ねたものです。これによると、女性の場合、もっとも割合として多いのは「3カ月以上6カ月未満」で33.8%。「6カ月以上1年未満」がこれに続き、以下、「1月以上3カ月未満」、「1年以上3年未満」、「期間の定めはない」の順となっています。「1カ月未満」も含めると、約51%は6カ月未満の契約となっています。
このように、1回あたりの雇用期間が比較的短い契約が多いのは、労働者派遣を利用する側の事情が影響していると考えられます。派遣先企業にとって労働者派遣は、即戦力となるスタッフを“必要なときに”“必要な期間だけ”活用することで労働力の数量的柔軟性を高め、総人件費の削減などに寄与できるという大きなメリットがあります。労働者を固定的に配置していては人材活用面での柔軟性を維持することはできませんので、一定のサイクルで処理すべき業務と必要な労働力とを案分し、労働力を調整していくことになります。そのサイクルが、多くの会社で6カ月以内になっているということです。
しかし、1回の雇用契約で期間満了と同時にそのまま終了というケースはほとんどありません。多くの場合、派遣契約(派遣会社と派遣先の間で交わされる契約)の更新に合わせ雇用契約も更新することがほとんどです。
| 0回 | 16.6 |
| 1回 | 17.4 |
| 2回 | 12.2 |
| 3回 | 9.7 |
| 4回以上 | 42.1 |
| 不明 | 2.0 |
データ2は、同じく登録型派遣スタッフに、現在の派遣先で従事している業務について、これまで何回雇用契約を更新したかを尋ねたものです。これによると、「更新4回以上」と回答した人が42.1%を占めています。また、「1回〜3回」と答えた人は合計39.7%。8割以上の人が少なくとも1回は契約更新を経験していることになります。
ところで、この契約の更新ですが、契約の延長を希望しない場合には、スタッフの側から拒否することもできます。その上で、同じ派遣会社から新しい派遣先の紹介を受けることも可能です。長期契約で働いている場合、仕事内容、職場環境、その他について納得いかないとか、習い事を始めたいので残業せずに早く帰りたいなどということがあっても、契約に縛られて思うようにいかないことが多いのですが、雇用期間が短ければ、スキルアップの状況や希望条件、ライフスタイルの変化などに応じて、新しい仕事を選んでいくことも容易です。雇用期間が短いのは不利なようにも見えますが、実は、スタッフにとっても大きなメリットになるというわけです。
| 6カ月未満 | 25.2 |
| 6カ月以上1年未満 | 21.9 |
| 1年以上3年未満 | 35.4 |
| 3年以上 | 17.5 |
雇用期間についてもう一つ、「現在の派遣先における同一業務の継続期間」について、データ3を見てみましょう。これによれば、登録型派遣スタッフとして働いている女性のうち35.4%は同じ派遣先の同じ業務に「1年以上3年未満」継続して従事しています。「3年以上」同じ仕事を続けている人も少なくありません。雇用契約では、1回ごとの契約期間としては6カ月未満が大半なのですが、複数回の契約更新により、実際には2年とか3年にもわたって働くこともできるということです。

