第9回
半数が紹介予定派遣の利用を希望、でも受け入れ実績は5%未満
みなさんは、「紹介予定派遣」という制度をご存じですか。これは、社員(*1)などの直接雇用を前提に、まずは一定期間(最長6ヶ月)「派遣社員」として勤務し、派遣期間終了後、 ご自身と派遣先企業の双方の希望が合えば、直接雇用に切替る、というものです。この制度を利用するときは、派遣会社に一般派遣としてのスタッフ登録ではなく、紹介予定派遣(職業紹介)の希望者として受け付けてもらう必要があります。
派遣スタッフの中には、正社員としての就職、再就職を目指しながらも希望に合った職場に巡り会えず、やむなく派遣という働き方を選んだという人も少なからずいることでしょう。この、紹介予定派遣制度であれば、就職先・転職先がみつかるまでというような腰掛け的な気持ちで派遣の仕事に就くのではなく、就職を果たすためのもう一つのルートとして活用できるわけです。
| 男性 | 女性 | |
| 紹介予定派遣を知っている | 18.1 | 45.7 |
| ┣ 利用したい | 44.4 | 48.8 |
| ┣ 利用したくない | 19.8 | 11.6 |
| ┣ わからない | 35.4 | 39.5 |
| ┗ 不明 | 0.5 | 0.1 |
| 紹介予定派遣を知らない | 81.9 | 54.3 |

厚生労働省の『派遣労働者実態調査結果の概要』(2005年9月発表)によると、調査時点で就業していた派遣スタッフ(約95万人、うち女性が62.8%)のうち、紹介予定派遣制度について「知っている」と答えたのは女性で45.7%と半数に満たず、男性では18.1%足らずでした。紹介予定派遣制度の導入が認められたのが2000年12月ですから、すでに6年半ほど経過しています。その割には、周知されていないといえるかもしれません。もっとも、この先もずっと派遣スタッフとして頑張っていこうと考えている人には無縁でしょうが。
| 利用したことがある | 4.7 |
| 利用したことがない | 96.3 |
| ┣ 制度を知っている | 40.4 |
| ┗ 制度を知らない | 54.9 |
上の調査で、紹介予定派遣を「知っている」と答えた女性のうち、紹介予定派遣を「利用したい」と言う人は48.8%。この数値を実際の就業者数から割り出してみると、女性の約22%が、紹介予定派遣を利用したいと希望していることになります。
一方、同じ調査で、派遣スタッフを受け入れている企業側に尋ねたところでは、紹介予定派遣制度を「利用したことがある」事業所は4.7%足らず。さらに、「利用したことがない」事業所のうち、「制度を知っている」事業所は40.4%となっています。また、紹介予定派遣を「利用したことがある」・「知っている」事業所のうち、「利用する予定である」とする事業所は5.8%、「検討中である、または検討してみたい」とする事業所は12.6%で、「利用の予定はない」とする事業所が52.7%となっています。
紹介予定派遣には、やってみたい仕事があるけど、実際に経験してみないとできるかどうか、本当に自分が希望している通りの仕事なのだろうかと不安に思っている人や、自分が希望する環境を備えた職場なのかどうかを実際に働いてみてから決めたいという人にとって、ミスマッチが防げるというメリットがあります。人を採用する側からしても、「採用したものの能力的に期待したほどではなかった」という失敗を防げるわけです。
| 紹介予定派遣実施事業所数 | 1162事業所 |
| 紹介予定派遣に係る労働者派遣契約の派遣先からの申込人数 | 57,709人 |
| 紹介予定派遣により労働者派遣された人数 | 19,426人 |
| 紹介予定派遣において職業紹介を実施した労働者数 | 15,016人 |
| 紹介予定派遣で職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者数 | 10,646人 |
なお、2006年1月に厚生労働省から公表された『労働者派遣事業の平成16年度事業報告の集計結果について』によると、紹介予定派遣を実施している派遣会社は全国に1162事業所(派遣実績のある一般労働者派遣[=登録型]事業所のうち17.3%)あり、16年度1年間に、この制度を利用して直接雇用に結びついた人は1万646人に上っています。
(*1)正社員とは限らない。契約社員、アルバイト、パートタイマーなどとなることもある。

