最終回
派遣スタッフでもほとんどの人が社会・労働保険に加入
“いざという時”に労働者が安心して働いていける制度、社会・労働保険。派遣スタッフとしての就業を希望する人にとって、社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)や労働保険(雇用保険、労働災害保険)に加入できるのかどうか気になるところでしょう。いま現在、自身で国民健康保険や国民年金に加入している人は、雇用保険を除けばそのままいまの保険に加入し続ければいいと思われるかもしれませんが、保険料額や将来受け取る年金額などを考慮すれば、会社(派遣会社)の健康保険や厚生年金保険の方が有利ですから、決して無視できる問題ではありません。
| 加入している | 加入していない | わからない | 不明 | |
| 雇用保険 | 74.9 | 12.5 | 2.0 | 10.6 |
| 健康保険 | 66.4 | 15.8 | 1.6 | 16.2 |
| 厚生年金保険 | 63.7 | 17.3 | 2.0 | 17.0 |
調査としては少し古いのですが、厚生労働省が2001年に行った「労働者派遣事業実態調査」によれば、雇用保険には女性派遣スタッフの74.9%、健康保険には同66.4%、厚生年金保険には同63.7%の人が加入しています。非加入者はそれぞれ12.5、15.8、17.3%です。介護保険と労災保険に関するデータはありませんが、介護保険は健康保険とセットで加入しますので、40歳以上の方で健康保険に加入していれば自動的に介護保険にも加入となります。また、労災保険はすべての事業所が強制加入(スタッフの保険料負担はありません)となっていますので、建前上は100%加入していることになります。

健康保険や厚生年金保険は、年収見込みが130万円以内であれば配偶者や父親など家族の保険の被扶養保険者となることができますので、そういう人も一部含まれるであろうことを考えれば、派遣スタッフでもほとんどの人が社会・労働保険に加入できると見てよさそうです。
政府は、派遣労働者をはじめとする非正規社員の労働条件の改善を進め、社会・労働保険についても、加入促進を図っています。また、2002年5月には、大手人材派遣会社を中心に人材派遣健康保険組合が発足し、2006年8月の時点で365事業所、派遣スタッフ数で37万8381人が加入するなど、状況はかなり変化していますので、各保険加入者の割合は、調査時点よりも相当アップしていることでしょう。
ただし、社会・労働保険の被保険者となるには条件があります。まず、雇用保険については、派遣就業を反復継続して1年以上派遣される見込みがある場合で、かつ、1週間の所定労働時間が20時間以上あることです。派遣では、1回の契約期間が3カ月程度となるものが少なくないのですが、この場合でも、契約と契約の間が、1カ月以内であれば、反復継続とみなされます。
健康保険と厚生年金保険については、派遣就業期間が2カ月を超えて長期雇用の見込みがある場合、かつ、派遣先での1日の所定労働時間が一般の社員のおおむね4分の3以上または1ヶ月の所定労働日数が一般の社員のおおむね4分の3以上の場合が加入の条件です。最初の派遣では被保険者に該当しなくても、雇用期間が2カ月を超えた日から被保険者となります。

