第9回
対処法がわからない問題が起きたときは、派遣元の営業担当者に連絡を
派遣スタッフの就業条件は、派遣先企業で働き始める前に、派遣会社から「就業条件明示書兼雇用契約書」という書面(以下「明示書」といいます)で提示されます。この「明示書」には、派遣先で従事する業務の範囲も示されていて、原則としてその業務がメイン業務となります。
ところが、現実の業務では、たとえば「OA機器操作」という業務名で、OA機器を使用してファイリング、予算管理、秘書業務、総務事務などを行う場合が少なくありません。明示書にこれらの具体的な業務内容まで網羅されていれば問題はないのですが、主な業務内容以外は記載されていないこともあります。また、明示書には「指揮命令者」(一般的には課長や主査、あるいは係長など肩書きのある人)という立場の人がいます。これはあくまで「指揮命令」であり、日々の業務の流れの中では、直接その業務に携わっている一般の社員などから指示が出されることがほとんどです。
例えば、たまたま、ほとんどの社員が出払って留守の時に、急な来客があってお茶を出すのを頼まれたなどは、明示書に記載されていない業務となりますが、このような場合状況次第では対応が必要です。
また、職場によっては、ごみ捨て、清掃、後片付け、書類整理などが当番として組まれていることもあります。当然、このような雑務は明示書には記載されていませんが、その担当内の労働者全員による当番制の場合は、業務と一体的に行なわれる「付随業務」として扱われます。
しかし、特定の派遣労働者のみが担当する場合は、「付随的な業務」として取扱いをする必要があります。契約上の問題ですので「おかしいな」と思ったら、まずは営業担当者に相談しましょう。それはそれとして、職場でのコミュニケーションを図り、効率的に業務を遂行するためには、職場のルール、慣習に従うのも仕事のうちと割り切ることも必要でしょう。
明らかに原則からはずれていると思われる業務が日常的に押しつけられる場合などは、派遣先に契約内容の再確認を求めることになります。この場合、派遣先に直接交渉するのではなく、派遣会社の営業担当者に状況を説明し対処してもらいましょう。そうすれば、営業担当者から派遣先の責任者を通じて職場に話が伝えられることになりますので、余計な波風を立てることなく、状況の改善が図れることになります。
正社員のように、会社に直接雇用されて働く人の場合、職場での不満を解決するためには、直接上司などと交渉するほかありませんが、派遣スタッフの場合、派遣会社が介在していることは大きなメリット。契約に関すること以外、たとえばセクシャル・ハラスメントに類するようなトラブルが生じたときなどはすぐにでも営業担当者に相談することが先決です。

