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Column あなたの日頃の行いは○or×?

コラム:西村吉郎

第1回

言葉遣い <敬語編>

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ビジネス社会では、対応する相手の立場に応じて、円滑にコミュニケーションをとるための礼儀としてのマナーは欠かせません。ところが、長年のビジネス経験のある人でも、間違った対応をしているケースもまま見受けられます。あなたもここで、自分が正しいマナーを身につけているかどうか確認しましょう。

問題

以下の例文には、敬語が使われています。
用法として正しいと思うものを選びなさい(複数選択可)。

  • a. お客様が来られました。
  • b. 先ほど課長が申されたことは、○○と思えばいいんですね。
  • c. うちの社長が一度、お客様とお会いしたいとおっしゃっておりました。
  • d. この欄にお名前をご記入ください。
  • e. ただいま担当者をお呼びしますので、しばらく待っていてください。
  • f. どんな用件でしょうか。私がお聞きします。
  • g. 課長さん、外回りご苦労様でした。冷たいお茶、飲まれますか。

解説敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類があるということは、皆さん、ご存じですよね。改めていいますと、尊敬語は相手の状態や動作を敬う言葉遣い、謙譲語は自分の状態や行動をへりくだって表現する言葉遣い、丁寧語は語尾に「です」「ます」を付けるなど言葉自体を丁寧にすることで相手への敬意を表現する手法です。

尊敬語は、一般的には相手の行動に対して「〜される」などと「れる」をつけます。また、謙譲語でも「〜させていただく」という表現でたいていの場合は片づきますが、一部、特別な言葉遣いがなされます。代表的なものを下に挙げておきます。


行動・状態 丁寧語 尊敬語 謙譲語
見る 見ます ご覧になる 拝見する
言う 言います おっしゃる 申し上げる
食べる 食べます 召し上がる いただく
訪ねる 行きます お出でになる
いらっしゃる
参る・伺う
来る 来ます いらっしゃる
お見えになる
伺う
与える 与えます くださる 差し上げる
聞く 聞きます お耳にとまる 拝聴する・承る
知っている 知っています ご存じでいらっしゃる 存じ上げています

こうした言葉そのものを覚えておくことは大事ですが、もっと肝心なことは、どんな立場の人の行動をどんな立場にいる相手に話しているのかということです。とくに、自分以外の第3者の行動を、目の前にいる誰かに話す場合に、用法の混乱が見られます。問題の例文でいえば、a、c、eがそのケースに該当します。aは、客が来たことを職場の誰かに伝える(あえて、敬語は省きます)、cは自分の会社の社長が客に会いたいと言っている、eは、来客に対して、担当者を呼ぶのでしばらく待つように言っているわけです。

このように、自分にとって目上の人のことを、さらに別の目上の人に伝える場合、それぞれの目上の人同士の上下関係を考慮しなければなりません。a、c、eのいずれも「お客様」が一番の上位に位置しますから、たとえ自分の会社の社長のことを話す場合であっても、自分の身内として扱うことになります。

なお、尊敬語や謙譲語は複数の言い表し方をするものもあります。回答では、それらの用法も合わせて、誤りを正してありますので、ご自身の回答と照らし合わせてください。

解説

正しいのは「d」だけ。


  • a. お客様がお見えになりました。(お見えです)
  • 「お見えになられました」では、敬語が二重になってしまうので注意。
  • b. 先ほど課長がおっしゃったことは、○○と受け止めればいいんですね。
  • 相手が社長や部長などさらに一段目上の人の場合には、「受け止めれば」の部分を「存じあげれば」とすれば、より正しい表現になる。
  • c. 私どもの社長が一度、お客様にお目にかかりたいと申しておりました。
  • 「私どもの」は「弊社の」「当社の」でもいい。
  • d. 正解。
  • 「ご記入下さい」の部分は「お書き下さい」でもいい。
  • e. ただいま担当者を呼んで参りますので、しばらくお待ちください。
  • 呼ぶ相手は社内の者のはずなので、「お呼びする」は間違い。「お待ちください」を「お待ちいただけますか」とすると、さらに和らいだ表現になる。
  • f. どのようなご用件でしょうか。私が伺います。
  • 「伺います」の部分を「承ります」とするとさらに丁寧になる。
  • g. 課長、外回りお疲れ様でした。冷たいお茶、お出ししましょうか。
  • 肩書きに「さん」を付けるかどうかは、職場の慣習にもよるので、その点は随意に。「ご苦労様」は目上の者が目下に対して遣う言葉なので、ふさわしくない。「飲まれますか」を「お飲みになりますか」にしてもいい。


このシリーズは、オールアバウトや雑誌などで人材・転職・派遣をテーマとする記事制作に関わって20年のライター、西村吉郎が担当しています。